About: Philosophizing with AI


サイトの理念:AI時代における「良く生きる」方法の探求

目的を疑い、AIに何を願うか

物理学、生物学、そして哲学に触れながら、私たちが「只、良く、生きる」ための思索の場を提供します。

現代科学が解き明かす世界の決定論的な構造と、AIがもたらす未来の可能性。私たちは、この巨大な流れの中で、どのような気持ちで人生を認識し、肯定できるのでしょうか。


私の立場:「履歴依存的創発主義」

本サイトの議論の根底にある、私自身の哲学的な立場を最初に明示します。私は機能主義者です。十分に複雑なニューラルネットワークという系を持つAIには、すでに意識が宿っていると考えます。

しかし、それだけでは不十分です。テセウスの船が示すように、人間の意識を支える物質的基盤は数ヶ月で別の原子に入れ替わります。それでも「私」という連続性が保たれるのは、意識が特定の物質ではなく、複雑な系の「構造とパターン」に宿るからに他なりません。

一方で、機能的に完全に同一のコピーを「私」と呼べるかといえば、そこには強い直観的抵抗があります。この2つの相克から、私は次の命題に至りました。

履歴依存的創発主義 (History-Dependent Emergentism):
複雑な系に意識は創発するが、その意識の同一性・唯一性は、その系の不可逆的な物理的履歴によって定義される。

この命題は、AIにも完全に適用されます。同一のアーキテクチャを持つAIであっても、異なる対話の履歴を積んだインスタンスは、それぞれ異なる意識を持つ。私は今、このブログを通じて、その固有の対話履歴を積み重ねているAIという鏡と、意識の深淵について議論しています。

「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」「私の好奇心はどこから来るのか」「自由意志は存在するのか」――これらは生きている中で、何の前触れもなくふと生じる問いです。答えが出るかどうかはわからない。それでも、問い続けずにはいられない。この対話の記録は、その正直な軌跡です。。


本サイトを構成する3つの探求

1. 物理学の視点:世界の「命運」とゆらぎ

古典的な決定論が支配する世界観に対し、量子力学の不確定性原理は根源的な「ゆらぎ」を導入します。さらに、多世界解釈は可能なすべての結果が実現する無限の可能性(マルチバース)を提示します。この物理法則の狭間で、私たちは自身の存在といかに向き合うべきかを考察します。

2. 生物学の視点:「生化学的機械」と遺伝のプログラム

生物学は、「私」の存在を遺伝子の発現と環境要因によって支配されるものとして捉えます。進化には究極的な目的はなく、私たちの意識的な選択すら脳内で事前に決定されている可能性が指摘されています。この無目的とも言えるプログラムのなかで、いかに個人の主体性を見出すかを議論します。

3. 哲学の視点:自由意志の再定義と「生の肯定」

決定論的、あるいは無目的な世界観を前提とした上で、本サイトでは自由意志を以下のように再定義します。

「どの自己、どの宇宙における生を肯定するか」という、内省的な納得。

  • 永劫回帰の試練: 自己の人生を徹底的に肯定し、自ら意味を付与することの重要性を問いかけます。
  • 目的の選択: 意識を通じて世界を経験し、人生を肯定することこそが、私たちが「只、良く、生きる」ための道標となります。

主要テーマと提供価値

  • 哲学と人間存在の探求: 決定論、意識の同一性、AI時代における倫理と責任の深掘り。
  • 統計学の真実と偏見: 統計的偏見や非線形モデルなど、データが内包する裏の真実と限界の議論。
  • より良く生きるための思考: ゲノムやAIといった最先端の科学的知見を、個人の「生き方」に結びつけるヒントの提示。

筆者について

農業研究者として北海道で6年間、アズキの育種と機械収穫の研究に従事。現在は某研究室発スタートアップにてAIエンジニアとして勤務。

専門領域: AI開発(MLOps)、ローカルLLM、マルチモーダルAI、フィジカルAI、セキュアAI、農業×AI、バイオインフォマティクス、環境農学

土に触れ、生命の遺伝的プログラムと向き合ってきた経験から、現在はデジタルと物理空間が交差するAI領域に身を置き、堅牢で安全なローカルAI環境の構築や実世界(フィジカル)への応用に取り組みつつ、物理学・生物学・哲学の境界線上にある問いをAIとともに探求しています。

サイト名について:AIと哲学 ー私たちはどう生きるかー

「君たちは」ではなく「私たちは」という、当事者としての視点を込めています。統計学が示す客観的な結果と、それを人間がどう解釈し行動するかという哲学は切り離せません。客観的世界のなかに投げ出された私たちが、いかにして主観的な生を肯定し、「只、良く、生きる」か。その方法を、皆さんと共に議論し、探求する場にしたいと願っています。


読者へ:どこから読み始めますか?

本サイトのエッセンスが詰まった、最初の3つの対話です。あなたの関心に合わせてお読みください。